東京高等裁判所 昭和30年(う)3230号 判決
被告人 鈴木義政、佐々木一郎
〔抄 録〕
次に、原判決は判示第一、一の所為をもつて、刑法第二四九条第一項の罪の想像上数罪として同法第五四条第一項前段をも適用して被告人鈴木義政を処断したこと、論旨第二点の(二)において指摘するとおりであるが、すべて財産犯罪は被害法益の主体の数に応じて犯罪の個数を定むべきものと解するのを正当とするので、原判示右所為が藤木昭三及び落合新平の二人を畏怖させて、この二人から椅子二脚の交付を受けたという事実であるのであるから、まさに、一個の行為にして二個の恐喝罪を構成するといわなくてはならない。それで、原判決の法律適用における右措置には何等違法をもつて目すべき廉はない。
(中野 尾後貫 堀真)